IP電話の導入方法について事前の確認事項、導入後の活用方法をご紹介
IP電話とはインターネットプロトコルを使って音声通話を行う電話サービスのことで、従来の固定電話や携帯電話と比べて低コストで高品質な通話が可能です。IP電話を導入するにはどのような手順が必要なのでしょうか?また、導入後はどのように活用すればよいのでしょうか?この記事では、IP電話の導入方法と活用方法について詳しく解説します。
導入手順の概要
IP電話を導入するには、大きく分けて以下の4つの手順が必要です。
- IP電話サービスプロバイダーの選択
- IP電話システムの選択(クラウドPBXかオンプレミスPBXか)
- IP電話機の選択と設定
- ネットワーク環境の確認と対応
これらの手順について、次の章で詳しく見ていきましょう。
IP電話導入前の注意点
IP電話を導入する前に、以下の点に注意してください。
クラウドPBXとオンプレミスPBXの違いと選び方
IP電話システムには、クラウドPBXとオンプレミスPBXという2種類があります。クラウドPBXとは、インターネット上にあるサーバーにIP電話システムを構築する方法で、オンプレミスPBXとは、自社内にIP電話システムを構築する方法です。それぞれにメリットとデメリットがあります。
クラウドPBXのメリット
クラウドPBXのメリットは、以下の通りです。
- 初期費用や運用費用が安い
- 専門的な知識や設備が不要
- 機能や規模の拡張が容易
- リモートワークや多拠点連携が可能
クラウドPBXのデメリット
クラウドPBXのデメリットは、以下の通りです。
- インターネット回線に依存する
- サービスプロバイダーによって機能や品質が異なる
- カスタマイズ性が低い
オンプレミスPBXのメリット
オンプレミスPBXのメリットは、以下の通りです。
- インターネット回線に依存しない
- 自社で機能や品質を管理できる
- カスタマイズ性が高い
オンプレミスPBXのデメリット
オンプレミスPBXのデメリットは、以下の通りです。
- 初期費用や運用費用が高い
- 専門的な知識や設備が必要
- 機能や規模の拡張が困難
- リモートワークや多拠点連携が困難
クラウドPBXとオンプレミスPBXを選ぶ際には、自社のニーズや予算に合わせて慎重に比較検討してください。
IP電話機の選び方と設定方法
IP電話機の種類
IP電話機とは、IP電話サービスに対応した電話機のことで、一般的には以下の3種類があります。
- 専用IP電話機:IP電話サービス専用の電話機で、インターネット回線に直接接続できる
- アナログ電話機:従来の固定電話機で、アナログ電話アダプター(ATA)という機器を介してインターネット回線に接続できる
- スマートフォンやパソコン:専用のアプリやソフトウェアを使ってインターネット回線に接続できる
IP電話機を選ぶ際の注意点
IP電話機を選ぶ際には、以下の点に注意してください。
- IP電話サービスプロバイダーとの互換性があるか
- 必要な機能や操作性があるか
- 購入費用やランニングコストがいくらか
IP電話機を設定する際の注意点
IP電話機を設定する際には、以下の点に注意してください。
- IP電話サービスプロバイダーから提供されたアカウント情報やパラメーターを正しく入力する
- ファームウェアやソフトウェアを最新版に更新する
- ネットワーク環境やセキュリティ設定を適切に行う
ネットワーク環境の確認と対応策
IP電話はインターネット回線を使って通話するため、ネットワーク環境が通話品質に大きく影響します。ネットワーク環境を確認する際には、以下の点に注意してください。
- 回線速度が十分か
- 回線品質が安定か
- 回線利用者が多くないか
- ルーターやスイッチなどの機器が正常か
ネットワーク環境に問題がある場合は、以下の対応策を試してみてください。
- IP電話専用の回線を用意する
- 帯域制御やQoSなどの技術を使って通話優先度を高める
- ルーターやスイッチなどの機器を最新版に更新する
- ネットワークケーブルやコネクタなどの物理的な接続を確認する
IP電話の導入に必要な帯域幅と計算方法
IP電話は、インターネット回線を使って音声データを送受信します。そのため、IP電話の品質や安定性は、インターネット回線の帯域幅や品質に大きく影響されます。帯域幅とは、一定時間内に送受信できるデータ量のことで、単位はbps(ビット毎秒)です。帯域幅が大きいほど、多くのデータを高速に送受信できます。IP電話では、音声データを圧縮して送受信しますが、圧縮率によって必要な帯域幅が異なります。一般的には、G.711という圧縮方式を使う場合は、1回線あたり約64kbps(キロビット毎秒)の帯域幅が必要です。G.729という圧縮方式を使う場合は、1回線あたり約8kbps(キロビット毎秒)の帯域幅が必要です。したがって、同時に何回線分の通話が発生するかによって、必要な帯域幅が変わります。例えば、同時に10回線分の通話が発生する場合は、G.711では約640kbps(キロビット毎秒)、G.729では約80kbps(キロビット毎秒)の帯域幅が必要です。このようにして、自社の通話量や圧縮方式に応じて、必要な帯域幅を計算することができます。
セキュリティの確保と対策方法
IP電話はインターネット回線を使うため、セキュリティのリスクもあります。例えば、不正な第三者による通話の傍受や改ざん、通話の遮断や妨害、不正な請求や課金などが考えられます。これらのリスクを防ぐためには、以下のような対策が必要です。
- IP電話サービスプロバイダーの信頼性やセキュリティ対策を確認する
- IP電話機器やネットワーク環境にパスワードや暗号化などのセキュリティ設定を行う
- IP電話機器やネットワーク環境にファイアウォールやアンチウイルスソフトなどのセキュリティソフトを導入する
- IP電話機器やネットワーク環境の定期的な更新やメンテナンスを行う
- IP電話サービスの利用状況や請求内容を定期的に確認する
IP電話の導入後の活用方法
IP電話の機能的な使い方と設定方法
IP電話には、様々な機能が備わっています。例えば、複数の電話番号を一つの端末で管理できるマルチナンバー機能や、通話中に他の人と会話できる3者通話機能、通話履歴や発信者番号を確認できる着信履歴機能などです。これらの機能を使うことで、ビジネスシーンでのコミュニケーションをよりスムーズに行えます。また、IP電話は、インターネット回線を使って通信するため、端末やアプリケーションによっては、パソコンやスマートフォンなどでも通話ができます。これにより、場所や時間に関係なく連絡が取れるようになります。IP電話の機能や設定方法は、契約したサービスプロバイダーや端末メーカーによって異なります。導入後は、マニュアルやサポートページを参照して、自分に合った使い方を見つけましょう。
コミュニケーションの効率化
IP電話を活用することで、社内や社外とのコミュニケーションを効率化することができます。例えば、社内では、IP電話同士であれば無料で通話ができるため、コスト削減につながります。また、複数拠点間での連絡も容易になります。社外では、IP電話から固定電話や携帯電話へも安価に通話ができるため、顧客や取引先とのコミュニケーションも円滑になります。さらに、IP電話は音声だけでなくビデオやテキストも送受信できるため、よりリアルタイムかつ多様な情報交換が可能です。例えば、ビデオ通話を使えば、遠隔地にいる相手の表情や動作を見ながら会話ができますし、テキストメッセージを使えば、書面で確認したい内容や資料を送付できます。これらの機能を駆使して、コミュニケーションの質と速度を高めましょう。
顧客対応の改善
IP電話を活用することで、顧客対応の改善にも貢献できます。例えば、IP電話には、自動音声応答(IVR)やコールキューイングなどの機能があります。これらの機能を使うことで、顧客からの電話を効率的に受け付けることができます。自動音声応答(IVR)とは、電話にかかってきた顧客に対して、音声メニューを流して、希望するサービスや担当者につなぐ機能です。コールキューイングとは、電話にかかってきた顧客を待ち順に整理して、空いた担当者に自動的につなぐ機能です。これらの機能を使うことで、顧客の待ち時間を短縮し、満足度を向上させることができます。また、IP電話は、通話内容や発信者番号などのデータを記録することができます。これらのデータを分析することで、顧客のニーズや傾向を把握し、より適切な対応や提案ができるようになります。
カスタマーサポートの強化
IP電話を活用することで、カスタマーサポートの強化にもつながります。例えば、IP電話は、通話中に他の人と会話できる3者通話機能や、通話中に他の担当者に引き継げる転送機能などがあります。これらの機能を使うことで、顧客からの問い合わせやクレームに対して、迅速かつ適切な対応ができます。例えば、3者通話機能を使えば、専門知識が必要な場合や意思決定が必要な場合に、他の担当者や上司と同時に会話ができますし、転送機能を使えば、別の担当者や部署に顧客をスムーズに移行させることができます。これらの機能を活用して、顧客の問題解決や満足度向上に努めましょう。
まとめ
IP電話は、低コストで高品質な通話ができるだけでなく、様々な機能やサービスを利用できる電話サービスです。IP電話を導入した後は、機能的な使い方と設定方法をマスターし、コミュニケーションの効率化、顧客対応の改善、カスタマーサポートの強化という3つの観点から活用することが重要です。IP電話を活用して、ビジネスシーンでのパフォーマンスを向上させましょう。
スータブル・ソリューションズでもIP電話のお取り扱いをしております。IP電話は前述の通りインターネット回線を利用して電話を行う仕組みとなります。スマホを内線化できるといったメリットがある半面、例えば1本の回線でインターネットと電話を相乗せした場合に、インターネット側の負荷が高まり、電話も聞き取りづらくなるといったリスクがございます。しかしIP電話をご利用中の多くのお客様は上記で記載したような1本の回線でインターネットも電話も利用する方法を取られています。弊社の場合、IP電話のご提案はもちろん、入替と同時に新たなIP電話用回線のご提案、現回線や電話サービスプランの見直しもご提案の中でご一緒に実施をさせて頂きます。基本的にIP電話は月額の利用料金が発生してきますので、プランの見直しを行う事で、会社にとって不要なコストを必要な仕組みに当て込むことが可能な場合もございます。
更に詳しく知りたい方は以下のページもご覧下さい。
投稿者プロフィール
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■事業免許
総務省 届出電気通信事業者 A-10-3067号
東京都公安委員会 事務機器商営業許可 第306660205689号
東京都 産業廃棄物収集運搬許可 第13-00-119879号
神奈川県 許可番号 01400119879号
■取得認証
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