ISMSとは?Pマークとの違いや取得までの流れ・期間・費用を解説

情報セキュリティの重要性がますます高まる現代において、企業は自社の情報を適切に管理・保護するための仕組みを整えることが求められています。そんな中、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証の取得は、企業にとって信頼性の高い情報セキュリティの確保手段として注目されています。本コラムでは、ISMS認証の基本概念から取得のメリット・デメリット、取得の流れや費用について詳しく解説します。

ISMS認証とは?

ISMS(Information Security Management System)は、企業が情報セキュリティを適切に管理・維持するためのフレームワークです。ISMS認証は、このフレームワークを導入し、国際標準規格であるISO/IEC27001の要件を満たしていることを第三者機関が認証するものです。ISMSは、情報の機密性、完全性、可用性を確保するためのリスクマネジメントプロセスを含んでおり、企業の情報セキュリティを体系的かつ継続的に改善することを目指しています。

ISMS認証を取得すべき理由

ISMS認証を取得することは、企業にとって多くの利点があります。以下にその主要な理由を挙げます。

ISMS認証取得のメリット

  • 信頼性の向上:ISMS認証を取得することで、取引先や顧客に対して情報セキュリティに対する高い意識と実践力を示すことができ、信頼性を向上させることができます。
  • リスク管理の強化:情報セキュリティリスクを体系的に評価・管理する仕組みを構築することで、セキュリティ事故の発生を未然に防ぐことができます。
  • 競争優位性の確保:ISMS認証は、競争の激しい市場において差別化要因となり、新規ビジネス獲得の際にも有利に働きます。
  • 法令遵守:ISMS認証の取得により、情報セキュリティに関する法令や規制への対応が容易になり、コンプライアンスリスクを低減することができます。

ISMS認証取得のデメリット

  • コストの発生:認証取得には初期費用や運用費用がかかります。特に、中小企業にとっては負担となることがあります。
  • 時間と労力:ISMSの導入には組織全体での取り組みが必要であり、社員のトレーニングや運用のための時間と労力が求められます。
  • 運用の負担:ISMSを維持するためには、定期的なリスク評価や内部監査、継続的な改善活動が求められます。

ISMS認証で定義されている情報セキュリティ(IS)とは?

ISMS認証における情報セキュリティ(IS)とは、情報の機密性、完全性、可用性を確保することを指します。

  • 機密性:情報へのアクセスを許可された者のみがアクセスできる状態を保つこと。
  • 完全性:情報が正確かつ完全であることを保証すること。
  • 可用性:情報が必要なときに利用できる状態を保つこと。

これらの要素を確保するために、ISMSはリスク管理プロセスを含み、情報資産を特定し、そのリスクを評価・管理するための方針と手順を定めます。

ISMS認証のマネジメントシステム(MS)とは?

ISMSのマネジメントシステム(MS)は、情報セキュリティを管理・運用するための仕組みやプロセスを指します。これには、情報セキュリティポリシーの策定、リスクアセスメントの実施、リスク対応策の実行、監視・評価、継続的な改善活動が含まれます。ISMSはPDCA(Plan・Do・Check・Act)サイクルに基づき、組織全体で情報セキュリティの維持・向上を図ります。

ISMSの認証基準

ISMSの認証基準は、国際標準規格ISO/IEC27001に基づいています。ISO/IEC27001は、情報セキュリティマネジメントシステムの設計、実施、維持、改善に関する要求事項を定めた規格です。この規格に準拠するためには、以下のステップを経る必要があります。

  1. 情報セキュリティ方針の策定:組織の情報セキュリティ方針を明確にし、全社員に周知徹底します。
  2. リスクアセスメントの実施:情報資産の特定とリスク評価を行い、対策を講じます。
  3. リスク対応策の実行:リスクを低減するための具体的な対策を実施します。
  4. 内部監査とレビュー:内部監査を行い、システムの有効性を評価します。
  5. 是正措置と改善:発見された問題点に対して是正措置を講じ、システムを継続的に改善します。

ISMSに関する規格について

ISMSに関する規格は、ISO/IEC27000シリーズとして知られています。このシリーズには、以下のような規格が含まれています。

  • ISO/IEC27001:情報セキュリティマネジメントシステムの要求事項を定めた規格。
  • ISO/IEC27002:情報セキュリティ管理策の実践ガイドラインを提供する規格。
  • ISO/IEC27005:情報セキュリティリスクマネジメントに関する指針を示す規格。
  • ISO/IEC27017:クラウドサービスのセキュリティに関する指針を提供する規格。

これらの規格は、組織が情報セキュリティを効果的に管理するためのフレームワークを提供します。

認証評価制度の機関

ISMS認証は、第三者認証機関によって評価・認証されます。認証機関は、ISO/IEC17021に基づき認定された機関であり、以下のプロセスを経て認証を行います。

  1. 初回審査:組織のISMSがISO/IEC27001の要求事項を満たしているかを評価します。
  2. 継続的な監査:認証後も定期的に監査を行い、ISMSの運用状況を評価します。
  3. 再認証審査:一定期間ごとに再認証審査を行い、認証の継続を判断します。

認証機関は、公正かつ客観的に審査を行い、組織の情報セキュリティの向上を支援します。

まとめ

ISMS認証は、企業が情報セキュリティを適切に管理・維持するための重要なフレームワークです。ISMS認証を取得することで、企業は信頼性の向上、リスク管理の強化、競争優位性の確保、法令遵守など、多くのメリットを享受できます。一方で、コストや時間、労力がかかる点も考慮する必要があります。ISMS認証を取得するためには、ISO/IEC27001の要求事項に準拠し、組織全体で継続的な改善活動を行うことが求められます。認証評価制度の機関による審査を経て認証を取得し、情報セキュリティの維持・向上を図りましょう。

スータブル・ソリューションズでもISO27001認証を取得し運用を行っております。お客様の課題に合わせてISMSを考慮した環境の構築も承っております。セキュリティを考慮した業務環境の構築はもちろんのこと、インターネット回線やプロバイダの手配を代行させて頂くところからルーターやスイッチ、無線Wi-Fi、UTM等のネットワークやOA機器の手配・設置・設定、配線工事までトータルにお任せ下さい。導入後も長きにわたるパートナー企業としてお任せ頂きたいと考えておりますので、その後のサービス選定のコンサルティングや導入サポートサービスも展開しております。

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スータブル・ソリューションズサービス担当者
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【有資格】
■事業免許
総務省 届出電気通信事業者 A-10-3067号
東京都公安委員会 事務機器商営業許可 第306660205689号
東京都 産業廃棄物収集運搬許可 第13-00-119879号
神奈川県 許可番号 01400119879号

■取得認証
情報セキュリティマネジメントシステムISO27001認証(登録番号 JUSE-IR-402)
情報処理支援機関「スマートSMEサポーター」(認定番号 第16号-21100052(18))