ERPをわかりやすく解説基幹システムとの違いや導入メリットも紹介

企業の業務効率化や統合管理を目指す際、ERP(Enterprise Resource Planning)システムは非常に重要な役割を果たします。本コラムでは、ERPの基本概念から種類、基幹システムとの違い、導入のメリット・デメリット、選定ポイントまでを詳しく解説します。

ERPとは

ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業のあらゆる業務プロセスを一元的に管理するための統合基幹業務システムです。ERPは、生産、販売、在庫管理、財務、人事など、企業活動の各分野を包括的に管理し、データの一元化と業務の効率化を図るためのツールです。これにより、各部門間の情報共有がスムーズになり、経営判断の迅速化と精度向上が期待できます。

ERPの種類

ERPシステムにはさまざまな種類があります。代表的なものとして、以下の3つが挙げられます。

1.オンプレミスERP

オンプレミスERPは、自社のサーバーにソフトウェアをインストールして運用するタイプのERPです。高度なカスタマイズが可能で、セキュリティのコントロールも自社内で行えますが、初期導入コストが高く、保守・運用コストもかかります。

2.クラウドERP

クラウドERPは、インターネットを介して利用するタイプのERPです。初期導入コストが抑えられ、スケーラビリティが高く、運用コストも比較的低いのが特徴です。ただし、インターネット接続が必須であり、セキュリティはサービスプロバイダーに依存します。

3.ハイブリッドERP

ハイブリッドERPは、オンプレミスとクラウドの両方の特性を持つERPです。重要なデータや機能をオンプレミスに保持し、その他の機能をクラウドで運用することで、柔軟性とセキュリティのバランスを取ります。

ERPパッケージと基幹システムとの違い

ERPパッケージと基幹システムには明確な違いがあります。基幹システムは、特定の業務プロセスを管理するためのシステムで、ERPはそれらの業務プロセスを統合的に管理するシステムです。

ERPパッケージが適切なケース

  • 業務プロセスの標準化が可能な場合:ERPパッケージは、業務プロセスの標準化を前提としています。そのため、既存の業務プロセスをパッケージに合わせて変更できる企業に適しています。
  • 迅速な導入を求める場合:既製のソフトウェアを使用するため、カスタマイズの手間が少なく、導入期間が短縮されます。
  • コストを抑えたい場合:パッケージソフトウェアは初期導入コストが低く、運用コストも抑えられます。

基幹システムが適切なケース

  • 高度なカスタマイズが必要な場合:特定の業務プロセスに高度なカスタマイズが必要な場合、基幹システムが適しています。
  • 既存システムとの統合が必要な場合:既存の業務システムとの連携が求められる場合、基幹システムの方が柔軟に対応できます。
  • セキュリティやコンプライアンスが重視される場合:自社内で運用するため、セキュリティやコンプライアンスの管理が容易です。

ERPのメリット

ERPシステムには、多くのメリットがあります。

業務効率の向上

各部門の業務プロセスを一元管理することで、データの重複や無駄を削減し、業務効率を向上させます。

データの一元管理

企業内のあらゆるデータを一元的に管理することで、正確な情報をリアルタイムで把握できます。これにより、迅速かつ的確な経営判断が可能になります。

コスト削減

業務プロセスの効率化や自動化により、人的ミスを減らし、運用コストを削減します。また、重複する業務の廃止や最適化により、リソースの有効活用が実現します。

ERPのデメリット

一方で、ERPにはいくつかのデメリットも存在します。

初期導入コストの高さ

ERPの導入には、初期投資が必要です。システムの購入やインストール、カスタマイズ、トレーニングなど、多くの費用がかかります。

導入期間の長さ

ERPの導入には、時間がかかります。業務プロセスの見直しやシステムのカスタマイズ、従業員のトレーニングなど、多くのステップが必要です。

柔軟性の低下

ERPシステムは、標準化された業務プロセスに基づいています。そのため、特定の業務プロセスに対して柔軟に対応できない場合があります。

クラウドERPとは

クラウドERPは、インターネットを介して提供されるERPシステムです。クラウド上で動作するため、オンプレミスのERPに比べて初期導入コストが低く、運用コストも抑えられます。クラウドERPは、スケーラビリティが高く、必要に応じてリソースを増減できるため、企業の成長に合わせた柔軟な運用が可能です。

ERP導入のステップ

ERPの導入には、以下のステップが必要です。

1.現状分析

現行の業務プロセスを詳細に分析し、改善点や課題を洗い出します。

2.要件定義

ERPに求める機能や性能、導入目的を明確にします。

3.ベンダー選定

複数のERPベンダーを比較検討し、自社の要件に最適なベンダーを選定します。

4.システム設計・開発

選定したERPシステムのカスタマイズやインテグレーションを行います。

5.テスト

システムの動作確認や業務プロセスの検証を行い、問題点を洗い出して修正します。

6.トレーニング

従業員に対してERPの操作方法や業務プロセスの変更点を教育します。

7.本番運用

ERPシステムを本番環境で稼働させ、業務運用を開始します。

ERPを選ぶポイント

ERPを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

1.自社の業務プロセスに適合するか

自社の業務プロセスに最適なERPシステムを選定することが重要です。業務プロセスの標準化が可能か、またカスタマイズの必要性を検討します。

2.導入コストと運用コスト

初期導入コストだけでなく、運用コストも含めた総合的な費用対効果を考慮します。

3.スケーラビリティ

企業の成長に合わせて柔軟に対応できるスケーラビリティを持つERPシステムを選びます。

4.セキュリティ

データの安全性を確保するために、セキュリティ対策が十分に施されているかを確認します。

5.サポート体制

導入後のサポート体制が充実しているか、ベンダーのサポート内容を確認します。

まとめ

ERP(Enterprise Resource Planning)システムは、企業の業務プロセスを統合管理し、効率化と情報の一元管理を実現するための重要なツールです。オンプレミスERP、クラウドERP、ハイブリッドERPなど、さまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。ERPを選定・導入する際には、自社の業務プロセスや要件を詳細に分析し、最適なシステムを選ぶことが重要です。適切なERPを導入することで、企業は業務効率を向上させ、競争力を強化することができます。

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