サーバー障害が発生した際の対応方法と予防策

サーバーは企業のITインフラの中核を担っており、Webサイトの運営、社内業務システム、顧客データの管理など、さまざまな役割を果たしています。しかし、どんなに安定したシステムでも、ハードウェアやソフトウェアの問題、ネットワークの障害、サイバー攻撃などにより、サーバー障害が発生する可能性があります。

サーバー障害が発生すると、業務の遅延や顧客へのサービス提供に影響を及ぼし、場合によっては大きな経済的損失につながります。本記事では、サーバー障害が発生した際の対応方法と、事前に障害を防ぐための予防策を詳しく解説します。

1. サーバー障害の主な原因とは?

サーバー障害は、さまざまな要因によって発生します。主な原因を理解することで、適切な対応策を講じることができます。

1.1 ハードウェアの故障

  • HDD/SSDの故障:ストレージの劣化や突然の故障により、データにアクセスできなくなる。
  • メモリ不良:メモリのエラーが発生すると、サーバーの動作が不安定になる。
  • CPUのオーバーヒート:過度な負荷や冷却ファンの故障により、CPUが過熱し、システムダウンを引き起こす。

1.2 ソフトウェアやOSの問題

  • OSのアップデート失敗:システム更新時のトラブルが原因で、正常に起動しなくなることがある。
  • アプリケーションの不具合:ソフトウェアのバグや設定ミスにより、動作が停止する。
  • ドライバーの互換性問題:ハードウェアとOSの互換性が合わない場合、サーバーが正常に動作しなくなる。

1.3 ネットワークの問題

  • ルーター・スイッチの障害:ネットワーク機器の故障や設定ミスにより、通信が断絶する。
  • DNSの設定ミス:ドメインの解決ができず、外部からサーバーにアクセスできなくなる。
  • DDoS攻撃:悪意のある第三者による過剰なアクセス集中で、サーバーが応答できなくなる。

1.4 セキュリティ攻撃

  • マルウェア感染:サーバーがウイルスやランサムウェアに感染し、データが暗号化されたり、システムが動作不能になる。
  • 不正アクセス:管理者アカウントが乗っ取られ、不正に操作される可能性がある。

2. サーバー障害発生時の対応方法

サーバー障害が発生した場合、迅速かつ適切な対応を取ることが重要です。以下のステップに沿って対応を進めましょう。

2.1 影響範囲を特定する

最初に、障害がどの範囲に影響しているのかを確認します。

  • サーバー全体が停止しているのか、一部のサービスのみ影響を受けているのかを判断。
  • 障害発生時刻を特定し、直前の変更履歴を確認。

2.2 ログを確認する

サーバーのログをチェックし、エラーの原因を特定します。

  • システムログ (/var/log/syslog, /var/log/messages)
  • アプリケーションログ
  • ネットワークログ
  • セキュリティログ

2.3 サーバーの再起動

障害が発生している場合、ソフトウェアやハードウェアのトラブルを解消するために、サーバーを再起動することが有効な場合があります。

  • まずは関連するサービスのみ再起動(例:systemctl restart apache2)。
  • 解決しない場合は、OSの再起動を検討。

2.4 バックアップから復旧

データが破損している場合、バックアップから復旧を試みます。

  • 最新のバックアップデータを確認。
  • テスト環境でバックアップの復元を行い、問題がないことを確認してから本番環境へ適用。

2.5 外部サポートの活用

社内で解決できない場合は、外部のサーバー管理会社やホスティング業者に相談する。

  • クラウドサービス(AWS, Google Cloud, Azure)を利用している場合は、サポートへ問い合わせ。
  • 物理サーバーの問題であれば、ハードウェアベンダーに連絡。

3. サーバー障害を防ぐための予防策

サーバー障害を未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスとセキュリティ対策が不可欠です。

3.1 定期的な監視とログ分析

  • サーバー監視ツール(Zabbix, Nagios, Datadog)を導入し、リアルタイムで監視。
  • ログの自動分析ツールを活用し、異常を早期発見。

3.2 バックアップと復旧計画

  • 定期的なバックアップの実施(毎日・毎週・毎月)。
  • クラウドストレージ(Google Drive, Dropbox, AWS S3)を活用し、リモートにデータを保存。
  • 復旧テストの実施(年1回以上)。

3.3 セキュリティ強化

  • OS・ソフトウェアの定期的なアップデート。
  • ファイアウォール・IDS/IPS(侵入検知システム)の設定。
  • 強力なパスワード管理と多要素認証(MFA)の導入。

3.4 負荷分散と冗長化

  • ロードバランサーの導入(HAProxy, Nginx, AWS ELB)。
  • クラスタリングによる冗長化(データベースクラスタやアプリケーションクラスタ)。
  • 予備サーバーの用意(フェイルオーバー対策)。

3.5 ハードウェアの定期点検

  • HDD/SSDの状態を監視(S.M.A.R.T.機能)。
  • 冷却ファンや電源ユニットの点検。
  • 5年以上使用しているハードウェアは計画的に交換。

4. まとめ

サーバー障害は企業にとって大きなリスクとなるため、迅速な対応と適切な予防策が重要です。障害が発生した場合は、影響範囲の特定 → ログの確認 → 再起動 → バックアップ復旧 → 外部サポート活用というステップで対応しましょう。

また、障害を未然に防ぐためには、定期的な監視・バックアップ・セキュリティ強化・負荷分散・ハードウェア点検といった施策を徹底することが重要です。

事前の準備と適切な運用を行うことで、サーバー障害のリスクを最小限に抑え、安定したITインフラを維持しましょう。

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スータブル・ソリューションズサービス担当者
スータブル・ソリューションズサービス担当者
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